H&K(ヘッケラー&コッホ) がサイレンサーメーカー A-TEC と提携を発表
NATOの軍備への影響もありそう?
ドイツを拠点とする銃器メーカー H&K (Heckler & Koch GmbH:ヘッケラー&コッホ)が、ノルウェーのサイレンサーメーカーA-TECとの提携を発表した。 H&K と A-TEC は今までもいくつかのプロジェクトにて協力関係にあったことに言及しつつ、更に次のレベルにまで引き上げた協力体制を築くことを明言。
また、それぞれのCEOの声明ではEUやNATOといったキーワードが強調されていることから、主に軍や法執行機関向けのプロダクトの強化を行い、今後NATO軍やNATO加盟国へ納入することを目標とした大規模なプロジェクトが展開されるのでは?と予想される。
A-TECとは?
日本のサバゲーマーにとっては馴染みの薄いメーカーであるA-TECだが、1999年の設立以来ハンティング用のサイレンサーを主軸としつつ法執行機関や軍への納入実績もあり、ヨーロッパ圏ではその知名度を上げているサイレンサーのスペシャリストだ。タクティカルトレーナーやスポーツシューターなど愛用者も多い。
創設者であるAnders E. Johansenは既存のサイレンサーの構造は時代遅れであるとの認識を早くから持ち、性能のみならず重量や構造、デザインなどで革新的なプロダクトを産み、ガレージからはじまった同社は現在、1400平方メートルもの工場を持つメーカーへと成長した。
設立から現在に至るまで、北欧を中心としたヨーロッパ圏や南アフリカなどに主要マーケットを広げ、6万本以上のサイレンサーを製造している。
もともと北欧は銃器に関する法律が比較的自由で、特にノルウェーとフィンランドではサイレンサーに関しては銃器とみなされず、所持するライフルに合うものであれば簡単に入手が可能だ。そのため民間向けの銃器メーカーはサイレンサー開発にも乗り出しやすいため多くのメーカーが存在する。
ガレージブランドとも言うべき小規模なメーカーが多いなか、自社でもサイレンサーを展開している H&K がわざわざ提携を強化したあたり、性能・技術・研究の面でA-TECをかなり高く評価していることが伺える。
H&K とA-TECの提携を受け、もし今後NATOでの大型採用などを達成した場合、将来的にはアメリカなど更に大きな銃の主要マーケットでもA-TECの存在感は大きくなる可能性がある。(ただし、今回の提携についてはアメリカ子会社であるH&K USAは今のところ関連はないようだ。)
エアソフト業界で言えば H&K はUMAREXにライセンス供与していることもあり、今後正式ライセンスのA-TECのエアソフト用サイレンサーが登場することもあるかもしれない。
特に、軍・法執行機関向けの A-TEC PRO シリーズはHK416やMP7などへのマッチングも良く、本当に製品化されればサバイバルゲームでもかなり人気が出そうだ。